法人税が減税されたときの税収減少を補うため、事業税の外形標準課税を中小企業に導入することが検討されています。2015年の導入は見送られましたが、2016年度以降に導入される可能性があります。この外形標準課税とはどのようなものでしょうか?

 

 

外形標準課税

 現在、資本金1億円以下の法人には、所得に約9.6%の事業税が課されています。

これを、所得に約7.2%、所得・人件費・家賃・利息合計に0.48%『付加価値割』、資本金に0.2%『資本割』に変更し、会社の所得だけでなく事業規模に応じて事業税を課税する仕組みです。

今は、資本金1億円超の法人だけに適用されていますが、中小企業に導入が決まれば、大部分の会社で大幅な税額増加が見込まれます。

 

 

具体的な試算

外形標準課税が導入された場合、税額にどのように影響するのかを試算してみます。

※資本金は全て1,000万円としています。

 

 

 

条件

現行

外形標準課税導入時

売上

30,000万円

所得に対して9.6%

192万円

所得に対して7.2%

144万円

資本金に対して0.2%

2万円

仕入

10,000万円

人件費

15,000万円

家賃

1,000万円

付加価値に対して0.48%

88万円

利息

300万円

他経費

1,700万円

所得

2,000万円

合計 192万円

合計 234万円(42万円増税)

 

所得に対する税金は減少しますが、付加価値に対する税金が発生するため、合計で42万の増税となります。

 

 

 

条件

 

現行

 

外形標準課税導入時

売上

30,000万円

 

所得に対して9.6%

0万円

 

所得に対して7.2%

0万円

資本金に対して0.2%

2万円

仕入

15,000万円

   
人件費

15,000万円

   
家賃

1,000万円

   

付加価値に対して0.48%

64万円

利息

300万円

   
他経費

1,700万円

   
所得

-3,000万円

 

合計 0万円

 

合計 66万円(66万円増税)

 

外形標準課税の場合は現行と異なり、赤字であっても税額が発生します。

 

 

 

 

 

条件

 

現行

 

外形標準課税導入時

売上

30,000万円

 

所得に対して9.6%

192万円

 

所得に対して7.2%

144万円

資本金に対して0.2%

2万円

仕入

20,000万円

   
人件費

5,000万円

   
家賃

1,000万円

   

付加価値に対して0.48%

40万円

利息

300万円

   
他経費

1,700万円

   
所得

2,000万円

 

合計 192万円

 

合計 186万円(6万円減税)

 

人件費が少なく、所得が多い場合などは、減税となるケースもあります。

 

 

 

赤字企業・中小企業にとっては税負担が重くなる

減税になるケースもありますが、赤字会社を含む多くの中小企業は増税になります。

人を雇えば雇うほど税負担が増えますので、費用に占める給与の比率が高く労働集約型が多い中小企業には厳しい制度となっています。

導入されることにより、労働者の約8割を雇用している中小企業が雇用抑制に動かなければいいのですが…。

 

 

 

【長公認会計士事務所のページ】

http://www.chou-acctg.com

 

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