『AI vs 教科書が読めない子供たち』 新井紀子(東洋経済新報社)

 

最近出た本でベストセラーになっている上記の本を読みました。

あと10年、20年でAIに相当な仕事が奪われる。例えば会計事務所の仕事(帳簿をつける、申告書を書く)という仕事がAIという機械にとって代わる。

このマスコミの宣伝効果は大きく、税理士試験を受ける若い人の数が減っている原因だとさえ業界内では言われています。

私はAIについては、置き換えられない世界(いわゆるコンサルティングの世界)では無くならないであろうと思っていますので大した心配はしていないのですが、興味がありAIに関する本はいくつも読ませてもらっています。

この本を読んで心のモヤモヤがとけました。著者は東大系の数学の研究所で東大ロボット(AIで大学入試問題を解かせるプロジェクト)の研究を行っている数学者です。AIの学会ではトップレベルの人とのこと。

そこで色々AIの仕組みについて説明されていますが、一言で言えば数学的解決法が出来ない問題については今のAIのレベル、少なくとも世界のトップレベルの人達の間では、ここ何十年かは、AIはだいたい出来ないだろうという話です。

つまり、膨大なデータを統計学的に処理することによる問題解決は出来る。しかし、それ以外の事は出来ない。単純にいえば国語の問題は相当難しい。人間の頭で考えればすぐにできるような文章の意味を理解しそれを論理学的に対応することは非常に難しい問題であるとされている。

ただ、統計学的に膨大なデータを解決すれば、MARCHクラスの大学の入試問題は解ける。問題なのは、そのレベルの国語の教科書を理解できない小中学生の比率が膨大な数に上がっている。日本は、数学の問題は子供たちがよく解けると言われているが、これは解き方を記憶しているからであり、コンピュータが最も得意とする世界であるとのこと。

逆に本を読んで理解するという世界は最もAIが苦手とする世界である。これから10年、20年の間にAIによって今ある仕事の半分はAIに置き換えられると言われている。

同じような事は過去あった。例えば、20世紀の初め、大幅に大型工場が出現し、どんどん機械化が進んだ。この時、工場作業員の仕事が減ったのであるが、逆にその当時不足していた仕事(ホワイトカラー)が発生した。

勿論、工場を辞めた人が直ぐにホワイトカラーになれたわけではない。非常に悲惨なこともあったが、しかし、次の世代にいくまでの間に新しいホワイトカラーに対応した教育を受けた人達が大量に出現することによって社会は進歩していく事が出来た。

AIによって問題視されている事は、その大型工場による程度ではなく、おそらく人口の半分程度の人達の仕事が無くなるというボリュームの大きさ、AIの発展によって必要となる仕事(統計的な仕事ではなく読解力が必要となるような仕事、あるいはAIに出来ない事を行う仕事等)の人たちに置き換わっていかなければならないのだが、後の新しい仕事にはAIには出来ない国語の能力が必要である。それが、今の小中学生たちのレベルを見ると、悲惨ともいえるレベルの子が圧倒的に多いという問題が影響している。

 

私の仕事に置き換えて言うと、いわゆるコンサルティング的な事。単純ではなく、人の感情の問題などを組合せたようなコンサルティングの世界、読解力が必要とされる世界では、人の力がますます必要になってくるだろうと思われる。

子供たちの読解力を上げるということが大きなボトルネックとなって出てくるのではないでしょうか。

 

是非、一読をお薦めしたいと思います。

 

私の説明は分かりにくいとは思いますが、この本の中で取り上げられているいくつもの例は極めて分かりやすい説明です。

 

 

 

 

 

 

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