━事業を継いでくれるなら、相続で優遇してあげたい!━
相続人がまだ学生であるというように、
将来会社を継いでくれるかどうか決定していないという場合があります。
親として適任であると白羽の矢を立てた子供が本当に事業を承継してくれるなら、事業が続けやすいように他の子供より多くの財産を相続させたいと思っているが、会社に入社させて経験を積ませるまで待っていられない、どうしたらよいのか?
といったお悩みをお持ちの事業主の方は少なくないと思われます。
そのような場合に、遺言書では条件付で財産を譲る事ができますので、それを利用するのはどうでしょうか。
たとえば遺言書に、「長男山田太郎(昭和○年○月○日生)には、株式会社**の代表取締役に就任しその事業を承継することを条件に次の財産を相続させる。」というように記載します。
実は、この条件に強制力があるかというと、実際にはこの条件を満たさなくても遺言書に書かれてある通りの財産が相続されることになります。
それでは、せっかく遺言書に書いた意味がないではないかということになりそうですが、もし相続後この条件が満たされない場合、他の相続人が
①その条件を履行することを求めることができ
②それでも一定期間履行されない場合は、家庭裁判所に遺言書の取り消しを請求することができます。
そのような手続きをもって絶対的に強制こそできませんが、相続人全員で亡くなった人の意思を実現するように行動することはできます。
そのような力を遺言書に託すためには、
①財産を譲る条件を他の人が見てもわかるように具体的に明示すること
②他の相続人の遺留分を侵害しないように注意するなどが大切です。
事業の承継以外に、自分の亡き後の配偶者の世話をすることを条件にするとか、ペットの世話を条件にするとか条件付きの遺言書の活用場面はいろいろありそうです。
【長公認会計士事務所の相続・事業承継のページ】
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