-将来、価値の上昇が見込める財産を-
生前、波兵衛(60歳以上)は相続時精算課税を利用してササエ(20歳以上)に株式会社穴子の株式を贈与していました。
贈与した株式の贈与時の価額は3,000万円です。
『この株式はこれから株価が上がるだろうから、この際少々の贈与税を払ってでも今のうちにササエに贈与しておいたほうがいいだろう』と波兵衛は考えたのでした。
当時ササエは3,000万円-2,500万円=500万円×20%=100万円の贈与税を支払っています。
さて、波兵衛の相続が発生しました。
波兵衛には相続財産として預貯金2,000万円があり、相続人はプネ、ササエ、カヅオ、ワガメの4人です。
カヅオ「株式会社穴子の株式の価値は今1億になっているんだよね~。相続税が大変だ!」
マズオ「カヅオ君、贈与時の価額で相続税の課税を受けるのが、相続時精算課税制度なんだよ。」
というわけで、預貯金2,000万円+株式3,000万円の合計5,000万円が波兵衛の相続財産となり、基礎控除は3,000万円+600万円×4人で5,400万円ですから、基礎控除額以下となりますので相続税はかかりません。
波兵衛、ナイス判断でした。
ちなみに、相続税の申告をすることにより、ササエは先に納付した100万円の贈与税の還付も受けることができました。
カヅオ『ササエは贈与税も還付・・?納得いかないなぁ』