~裏目に出た相続対策~
中小企業の経営者にとって、一番の悩みは事業承継と言っても過言ではありません。
1995年47歳だった経営者の平均年齢が2015年には66才になり、20年間で29歳も上昇しました。
確実に社長の高齢化が進んでいます。待ったなしの次世代へのバトンタッチが必要な企業も増加しています。
しかし、これまで日本の経済を支えていた中小企業の中には、内部留保が大きい企業があり、自社の株式の評価額が高く、スムーズに事業承継ができないケースが多く見受けられるようになりました。
こうした危機を打破すべく事業承継税制ができ、平成30年には、その要件が緩和されました。
ところが、この制度を適用できない会社があることに注意が必要です。
以前、相続税対策のため、オーナー経営者が持株会社を作り、自らが所有するグループ内各社の株式を、その持株会社を通じて持つようにした場合です。
いわゆるホールディングカンパニーを作ったケースです。その結果、オーナー経営者の所有する株式の評価額をある程度引き下げることができましたが、事業承継税制の適用要件に当てはめられないケースが出てきました。
この制度をうけるための会社の要件として、以下の会社に該当しないことと規定されています。
①上場会社ではないこと
②中小企業者に該当しない会社
③風俗営業会社
④資産管理会社(有価証券、自ら使用していない不動産、現金・預金等の特定の資産の保有割合が総額の70%以上の会社やこれらの特定の資産からの運用収入が総収入金額の75%以上の会社をいいます)上記の持株会社は資産管理会社に該当する場合が多く、要件が緩和されても事業承継税制が適用できないという事態に陥っているのです。
そこで事業承継はじっくり計画を立てることが必要です。
正確な情報をキャッチして、同族関係者や専門家とよく話し合い、事業承継の方向性を決める必要があるのではないでしょうか。
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