自筆証書遺言書保管制度の創設

~裁判所による検認不要の遺言~

自分の財産を誰にどのように残したいか、自分の意思を伝えるための遺言書は、主として本人が遺言の内容・日付・氏名等を書き押印し保管する「自筆証書遺言」または、本人が内容等を公述し公証人が筆記し公証役場に保管される「公正証書遺言」の方式により作成されます。「自筆証書遺言」の場合、自宅に遺言書を保管することもできますが、紛失や盗難、偽造や改ざんのおそれがあったり、せっかく書いても発見されなかったりすることがあります。そこで、大切な遺言書を守るため、今年の7 月10 日から、法務局で保管する制度( 自筆証書遺言書保管制度)が施行されました。

この制度は、法務局(遺言書保管所)で自筆証書遺言書の原本と、その画像データ等を保管する制度です。この制度を利用すれば、遺言書を紛失や改ざんなどから守ることができます。そして、遺言書の画像データでも保存されるので、全国の遺言書保管所でモニターを使 って閲覧することができます。また家庭裁判所における検認の手続が不要になります。

遺言者が遺言書を預けるときは、本人が遺言書保管所に出向いて手続をする必要があり、保管後、遺言者の生前中は、遺言者本人のみが、遺言書の閲覧、住所等の変更、保管の申請の撤回などの手続を行うことができます。そして、相続開始後、相続人等は、遺言書が保管されているかの確認、遺言書の内容の証明書(遺言書情報証明書)の取得、遺言書の閲覧ができます。

自筆証書遺言書保管制度は、全国 312 か所の遺言書保管所で利用できます。ウェブサイトや電話で事前の予約が必要ですが、遺言者自らが 1 人で作成できますので、遺言者が都合のよいときに書いて保管しておくと、相続開始後、相続人等が発見し、遺言内容を実行します。尚、このかわら版(第75 番)でもお伝えした通り、令和元(2019)年1 月13 日以降に作成した相続財産の目録については、パソコンで作成した目録や預金通帳のコピーなども認められることになりましたので、今後はより多くの自筆証書遺言書保管制度の利用が進むと考えます。

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