集患プロフェッショナル
著者 柴田 雄一
クリニックの集患をテーマに 、開業 1年ほどのクリニックのドクターとその妻及び 医業コンサルタントが 医院を立て直していくストーリーとして描かれている本です。
内科・神経内科のドクターが 開業するも 患者数が伸びず 半年経過しても1日平均患者数が14人未満。
開業時に医薬品メーカーの無料の開業支援コンサルを受け
設備投資額は大きく当初の借入金が1.5憶あり 経営及び資金繰りが圧迫してきて葛藤しつつも妻の同級生の医業コンサルタントに会い、クリニックを立て直してく。
会話やそのストーリーの中でメインテーマである” 集患 ”に対する考え方や対策 の立てかた、また経営上にとっても印象深い言葉などを織り交ぜて描かれています。
クリニックを開業する場合経営者となりこれまでの医者としての役割以外に監督者としての役割経営者としての役割の3つの役割をこなさなければならなくなる。
医者として10年-20年と経験してきたプライドが 経営者としての役割・監督者として の役割については初心者であるにも関わらず 他者から素直に学ぶことを阻害しがち
になりやすい。また良い医療を行いさえすれば うまくいくと勘違いする場合も見受けら れる。
良い医療 ≠ 良い経営
良い医療 は必要条件
良い経営とは患者が集まるクリニックである。
患者を引き付ける差別化要素を見つけ患者に差別化を訴求していくことで である。
マーケティングの面からは クリニックの場合は Poduct・・・ 医療サービス(種類・質) がまず必要条件としてあり 以下に ある残り6個の ”P”の中からどこに力を入れていくか組み合わせていくことが良い経営を行うためには必要であり経営者として意思決定していかねばならない。
・ Price ・・・・(料金)
・ Place ・・・・(立地)
・ Process ・・・・(診療方針、治療・検査の手順)
・ Promotion ・・・・(広告・宣伝)
・ Physica Evidence(物的証拠) 施設・デザイン・インテリア・医療機器等
・ Place ・・・・(医師・スタッフ・患者やその家族)
経営カンファレンス( 同業者の勉強会 )への参加
モチベーションとインセンティブ
モチベーション・・・・自分の気持ちを自分で盛り上げる内発的な動機づけ
インセンティブ・・・・自分以外の何かで自分の気持ち気持ちを盛り上げさせ る外発的な動機付け
集患対策
タンジェントポイントとブランディングを常に意識する
ブランディングとはイメージづけることでタンジェントポイントとは そのイメージと 消費者が接する時のことである。
タンジェントポイント(接点)の抽出・洗い出しを行う
カテゴリー別に抽出分類する。
・ 来院前カテゴリー
クリニックのことを認識していない、または来院行動を起こしてい ない見込み患者 看板・外観・電話帳・ホームページやクリニックに関する記事 口コミ
・ 来院カテゴリー
電話等問い合わせ
来院
診察
会計をすませ院外にでるまで
直接的なコミュニケーションと間接的なコミュニケーションがある。
直接的なコミュニケーションとは実際の会話であり、間接的なコ ミュニケーションは院内の雰囲気・掲示のポスターや待合室の 雑誌等
この来院カテゴリーが最も強くクリニックの印象を与える。
・ 来院後カテゴリー
患者との関係を切らないことが重要
アフターケア・クレームに対する対応
はがきやメール等 次の来院行動を促すこと
・ 伝聞カテゴリー
スタッフ・及びその家族 採用活動など
タンジェントポイント(接点)はわずかな時間であるが その時々の瞬間的イメージで 自医院のイメージが構築される
経営においては 現状の把握・認識が必要で 経営についてのバイタルサイン(兆候) は財務諸表とレセプト分析表から変化を常に掴み対策を打っていくことが 必要。
レセプト分析表は
・ 1日平均来院患者数
・ 1診療当たりの平均診療点数
・ 月の延べ新規患者数
常にこれらの変化に気をつけて見ていかねばならない
収入が増えない原因
① 新規患者が減り続けている・・・新規患者がとれていない。
・ 新規患者獲得プログラム
② 1日当たり患者数減少・・・・患者が定着していない
・ 離反防止プログラム
③ 平均来院回数が減少している・・・来院の促進ができていない
・ 来院頻度増加プログラム
④ 低診療単価で推移している・・・診療単価を意識していない
・ 診療単価適正プログラム
① 新規患者獲得プログラム
費用対効果を把握すること
新規患者の経路を把握
問診表等ツールの活用 ・・・例 どちらで当医院をお知りに なりましたか
(広告・口コミ・ネット・紹介等)
分析 1つ何か策をおこなっつたときにその効果がわかるよう更新 していく。
講演会・院内講座・・・告知活動が宣伝効果が高い
即効性はあるが発揮する期間は短い。落ちる前に次の対策が必要
広告宣伝 媒体別
アナログ
紙 地域コミュニティ紙・市報・ポスター
鉄 電柱看板・野立看板・駅看板
直媒体(立地) クリニックの看板・ガラス面に貼るサイン
人媒体 地域医療機関連携・保健師他
デジタル
電子媒体 ホームページ・フェイスブック
電波媒体 AM・FM放送
手段の目的化になっていないか注意
目的を明確に 何のために必要か 何をやりたいのか 誰が何のために閲覧するのか
口コミ
増やす成功のカギ
体験したことが口コミされる。体験の共有化がどれだけできるか
ツール(物的証拠)が手助け
例 院内報の掲示と配布用として受付に置いておく
② 離反防止プログラム
常連患者と一見患者の区分 最新来院日と来院頻度で判断
常連患者と一見患者は タンジェントポイントが異なる それぞれ に不快にさせないポイントの構築が必要です。
離反率の引き下げ
次回予約
予約キャンセル・・連絡のない患者には全員に連絡
漢方講座・院内イベント・インフルエンザ情報等
③ 来院頻度増加プログラム
患者のニーズとクリニックのシーズ(提供していきたいもの)の
ギャップをうめる
シーズ・・・生活習慣病・慢性疾患・痛み
院内ポスター・問診表に入れる
予備軍がねらい
④ 診療単価適正プログラム
取りこぼしがないか
ニーズとウォンツの違い
ニーズ・・・必要に駆られて行動する
ウォンツ・・意識化されていない潜在的な欲望
(早期発見・予防的な意味合いで行う検査)
あとがき
著者が医業コンサルタントとしてこれまでやっつてきて必要と思っていること
知識
論理的思考
体験
(記事)【所員:馬場】
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