近年、増加傾向にある死亡離婚をご存知ですか?

【所員:白倉】

近年、増加傾向にある死亡離婚をご存知ですか?-姻族関係終了届について-

この頃よくメディアに取り上げられている「死亡離婚」ですが、初めて聞く方も多いのではないでしょうか?今回は「死亡離婚」とは何か、どういった手続きが必要かについてお話したいと思います。

配偶者の死亡後に離婚することはできるのか?と疑問を持たれた方もいらっしゃると思いますが、法律上、配偶者の死亡後に離婚することはできません。なぜなら配偶者の死亡によって「婚姻関係」は解消されるからです。

ここで言う死亡離婚は「姻族関係終了届」を市区町村役場に提出することで、配偶者の親族との「姻族関係」※1を終了することを言います。

姻族関係終了届を提出する人は、2013年から2017年の間で3,299件220%も増加しています。その背景には、核家族化による家族関係の希薄化や相続トラブル、高齢化による親族の扶養の負担等があると言われています。

原則として義理両親の扶養義務者は、義理両親の子・孫・兄弟姉妹なので配偶者に扶養義務はありませが、特別の事情があるときは配偶者も扶養の義務を負う可能性があると民法で定められています。※2

扶養義務を負う可能性をゼロにしたい、どうしても姻族との関係を切りたいという場合は姻族関係終了届の提出は大きな意味があるでしょう。

姻族関係終了届を市区町村役場に提出する際に必要なものは、姻族関係終了届と亡くなった配偶者の戸籍(除籍)謄本、印鑑、本人確認書類です。

また、姻族関係終了届を提出しただけでは氏や戸籍は変わりませんので、婚姻前の氏に戻したい場合は「復氏届」を提出します。

離婚の場合はそれに伴って姻族関係も解消されますが、死別の場合は姻族関係を継続することも、終了することも残された配偶者に委ねられることになります。死亡離婚についてはそれぞれの考え方があると思いますが、選択肢の一つとして知っておいていいのではないでしょうか。

※1「姻族」とは、配偶者の血族のことで配偶者の父母・兄弟姉妹等が該当。

※2 民法877条 

1項 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

2項 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内

の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。



(記事)【所員:白倉】

 

 

 

 

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