気づき通信 平成29年02月企業

銀行の『事業性評価』による融資

 

 

長年不良債権処理に追われた経験から、銀行は新たな不良債権を生み出さないために、積極的な融資ができなくなっていました。

 

それが、平成26年に金融庁が公表した金融モニタリング基本方針に『事業性評価』が重点施策として位置付けられたことにより流れが変わりつつあるようです。

 

『事業性評価』とは、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、取引企業の事業内容や成長可能性を適正に評価しておこなう融資のことです。

 

この頃、銀行融資が少し変わったなと感じるのは、以前は運転資金であっても保証協会付の長期借入の提案が多かったのですが、ここ数年は当座貸越契約で元本返済せず利払いの支払いだけで済む借入の提案も増えてきました。

 

借入する企業からすれば、運転資金は常に一定額必要なため同額を返済なく継続して借入できているほうが資金繰りは安定しますが、銀行からすれば正常運転資金(売上債権+棚卸資産-仕入債務)を超える当座貸越契約は検査マニュアルにより不良債権とみなされるため、不良債権とみられない融資を進めざるをえなかったということです。

 

金融庁も不良債権比率が8%~10%あった時代から、今や1%~2%と低い時代になったため、銀行の自己資本保全ではなく、中小企業を活性化させるため、中小企業の立場に立った融資制度に舵をきったということです。

 

事業性評価は、企業の事業内容や成長可能性を詳しく見て融資していきますので、きちんとしたビジョン・商品の優位性等を持っている中小企業は融資を受けやすくなりますが、逆にビジョンや商品優位性がなく、特別融資やリスケでなんとか存続していた中小企業は淘汰される可能性があります。

 

社長はもちろんのこと、銀行と折衝を行う経理担当者も自社の事業性・成長可能性を今以上にきちんと認識、理解し、説明できるようにしておくことが重要になってくると思います。

 

基本的疑問は、銀行マンに事業の優劣を見分けることができるのだろうかということです。失敗したら誰が責任を取るのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

税制改正セミナーを行いました

 

 

私どものお客様を対象に「平成29年度税制改正セミナー」を開催させて頂きました。ご出席くださったのは基本的にお客様である会社の方々です。

 

平成29年度税制改正の目玉は、中小企業の設備投資を促進させるための税制の制度、攻めの設備投資というものですが、その中心になっているのが経営力強化税制です。

 

固定資産税や法人税の減価償却、税額控除、更には低利融資制度等で中小企業になんとか設備投資をさせたい、そして中小企業の労働生産性を向上させたいという思いがこもっているような税制です。

 

もちろん狙いは中小企業で働く人達の労働生産性を向上させ、その人たちの給与引き上げを狙っているものです。

 

生産性向上設備の時もお客様に繰り返し訴えておりましたが、税制上の恩典があるから設備投資をするのではなく、設備投資をする必要がある、つまり設備投資をしたら利益が見込めるから設備投資するのであり、税制上の恩典があるから設備投資をするのではないという当たり前の話です。

 

いつも思う事ですが、税制の中心は製造業がどうしても中心ですが、製造業は日本のGDPの2割ですから・・・。

サービス業への支援になる抜本的な税制改正はないものでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確定申告シーズン 申告書が送ってこない

 

 

所得税の確定申告のシーズンの真っ最中です。

 

私どもの会計事務所経由で申告をされている人にとっては特に変わりがないのですが、会計事務所経由ではない個人の人が自分で申告をされているケースについては少し手続上の違いがあります。

 

それは、申告書の入手手続です。

 

今まで税務署は毎年申告をする人で、且つ、電子申告をしていない人については、予めその方に申告書の用紙や申告の手続きの案内を郵送していました。

 

一方、私どものような会計事務所・税理士事務所経由の申告の場合には、殆どが電子申告で行っています。電子申告とは単純に言えば、インターネットで申告する事です。これは勿論個人の方も直接行う事ができます。

そういう方々には電子メール(いわゆるE-Mail)で申告のお知らせが送ってきていましたが、申告書の用紙は必要ないものですから送られていません。

 

電子申告が相当国民に浸透したという事で、国の予算削減の観点から、税務署は申告書の用紙や説明書などを毎年申告してくれている人に送ることを今年から中止削減することになっています。

 

申告書を従来送っていた申告者のうち、税理士の無料相談会や地方自治体などの相談機関経由での申告者、あるいは税理士の署名がある申告で、且つ、電子申告ではなく直接税務署の窓口に持ち込まれたものについては、申告書一式や申告書作成の方法の手引などは送るのを止めるとされました。

 

これはまず、今年は福岡国税局と四国の国税局で行い、その結果と反省点を踏まえ来年からは全国で実施される予定との事です。このため、色々トラブルも起きているようです。

 

従って、会計事務所経由で申告していない一般の納税者の方は今まで送ってきた申告書を見て確定申告の準備をされると思うのですが、今後は税務署からのはがきを見て確定申告のシーズンだなと考えてください。

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