持分なし医療法人の小規模宅地等の特例

「持分なし医療法人の小規模宅地等の特例」

 1.特例同族会社事業用宅地等に該当しない

  例えば持分なし医療法人である基金拠出型医療法人の院長(基金拠出者でもある)がその医療法人に医療施設用建物の敷地として宅地を貸し付けている場合、その院長が死亡した際、その貸し付けていた土地については小規模宅地等の特例の「特定同族会社事業用宅地等」に該当しません。

 2.特定同族の要件を満たさないため

  理由としては、持分の定めのない医療法人の場合は各出資者に固有の持分がないことから特定同族会社の要件である「被相続人等が出資総額の50%超を有する」を満たすことができないためです。

  一方その土地については「貸付事業用宅地等」には該当するため全く減額がされないということはありません。ただし、院長が「特定居住用宅地等」に該当する自宅を持つ場合は、「特定同族会社事業用宅地等」であれば「特定居住用宅地等」と併用できたものが、「貸付事業用宅地等」の場合は「特定居住用宅地等」との面積制限に達するまでの選択適用となりますので、その適用を大きく制限されることとなります。

 3.法人成り、持分なし医療法人への移行の際は注意

  法人成りを検討する際には、この特例の制限がデメリットとなる法人の運営形態(もともと賃貸物件であればデメリットとは認識されない)かどうかを踏まえ検討する必要がありますし、移行の場合には、もともと持分の評価が大幅に軽減されることを目指していますので、特例の制限が相続税額にどの程度の影響を及ぼすかを把握しておく必要があります。



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特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除

特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除

 バブル時代、大昭和製紙社の齊藤了英氏が、ゴッホの「医師ガシェの肖像」やルノアールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」を高額な値段で落札し、「死んだら棺桶に入れてもらうつもりだ」などと発言されたことがありました。当時「公開してくれないものかな」、その後も「いつか見たいものだ」と考えておりました。

 数年前、オルセー美術館で「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」を間近で見ることができた時は「ここにいたのか」と感動しました。

 文化的価値の高い美術品を所有する方は、人類の預りものとはいえ、所有するために高額の対価を払い、一般の人々に鑑賞させてくれるのですから、感謝しなければなりません。

 世界的価値のある美術品にも金銭と同様の相続税を課税し納税を求めると、価値ある美術品が、行方不明になったり、海外流出してしまったりと、次世代に引き継がれないことも懸念されます。

1.制度の概要

 預託先美術館の設置者と特定美術品の寄託契約を締結し、認定保存活用計画に基づきその特定美術品をその寄託先美術館の設置者に寄託していた者(以下「相続人」といいます。)から相続又遺贈によりそのと特定美術品を取得した一定の相続人(以下、「寄託相続人」といいます。)が、その特定美術品の寄託先美術館の設置者への寄託を継続する場合には、その寄託相続人が納付すべき相続税のうち、その特定美術品に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予され、寄託相続人の死亡等により、納税が猶予されている相続税の納税が免除されます。

2.適用開始時期

 この特例は、平成31年4月1日以降に相続又は遺贈により取得する特定美術品に係る相続税について適用されます。

3.特定美術品

 この制度の対象となる「特定美術品」とは、認定保存活用啓確認に記載された次に掲げるものをいいます。

・重要文化財として指定された絵画、彫刻、工芸品その他の有形の文化的所産である動産

・登録有形文化財(建物を除きます。)のうち世界文化の見地から歴史上、芸術上又は学術上特に優れた価値を有するもの

4.相続開始前にすべきこと

 相続開始前に、被相続人が、特定美術品について、「寄託先美術館の設置者と寄託契約を締結し寄託していること」及び「文化財保護法の規

定に基づき保存活用計画に係る文化庁長官の認定を受けていること」が必要になります。

 相続開始後から相続税の申告期限まで、またその後の納税猶予期間中も重要な様々な手続きがあります。

5.納税猶予の期限到来

 次の場合には、猶予期限の到来となり猶予されている相続税と利子税を納付しなければなりません。

・譲渡(寄託先美術館の設置者へ贈与した場合を除きます。)した場合

・滅失(一定の災害による滅失を除きます。)、寄託先美術館において亡失もしくは盗み取られた場合

・寄託契約期間の終了した場合

・認定保存活用計画の認定が取り消された場合

・認定保存活用計画の計画期間満了後4か月を経過する日において新たな認定を受けていない場合

・重要文化財の指定が解除又は登録有形文化財の登録が抹消(一定の災害による滅失に基因する場合を除きます。)された場合

・寄託先美術館について、登録の取消等がされた場合

6.納税の免除

 次の場合には、免除届出書及び一定の書類を提出することにより、納税猶予されている相続税の納付が免除されます。

・寄託相続人の死亡した場合

・寄託先美術館の設置者に贈与した場合

・一定の災害により滅失した場合

 オルセー美術館にある「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は、齊藤氏が購入したものとは別のものであったようです。(大小2枚がある。)齊藤氏が購入したものは、現在は海外のコレクターが所有されているようで、相続を要因としたわけではないのですが、日本には無いようですし、見ることはできそうにありません。

 



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相続放棄について注意するべき事項

「相続放棄について注意するべき事項」

 相続というと、被相続人から財産を貰えるというプラスのイメージが大きいかも知れませんが、実際には先代社長が大きな借金(又は借金の保証人の地位)を抱えたまま死亡してしまったという話も多くあります。

事業内容が良好であれば、相続することに大きな問題はないのかも知れませんが、会社の業績が芳しくない場合には、相続放棄を選択すべきケースもあると思います。

この場合に、相続の放棄を行うのは、「被相続人の死亡により相続人となったことを知った後、3か月以内」と定められています。

ここまでは、ご存じの方が多いかと思います。

 次に、注意して欲しいのが、相続の放棄を行うと、次順位の方へ相続権が移るという点です。

例えば、社長(夫)が死亡し、妻と子供、その他に社長に兄弟がいた場合(社長の両親は既に死亡)この場合には、先ずは妻と子供が第1順位として相続放棄を行います。

なお、相続放棄では代襲はありません。

つまり、上記のケースで子供が相続放棄したから孫に相続権が代襲されるということはないという意味です。

ゆえに、上記の相続放棄が完了した後に兄弟が相続人となり、相続放棄を行うこととなります。兄弟の相続放棄を失念すると、上記の借金について兄弟が弁済することになってしまうため、十分な注意が必要です。

なお、兄弟の相続放棄については、妻と子供が相続放棄を行った事実を知った日から3か月以内であり、被相続人の死亡から3か月以内ではありません。

 上記では、相続放棄について記載していますが、法定単純承認の要件があり、下記のケースでは相続を承認したものとみなされるため、相続放棄する場合には十分に注意してください。

① 相続人が相続財産の全部又は一部を費消したとき

② 相続の開始があったことを知ったときから三か月以内に、限定承認または放棄 の手続きをしなかったとき

予期せぬリスクを負担することがないよう、十分に注意して頂ければと思います。

 なお、実際の事例として、葬式での顔合わせを最後に相続争いに発展している案件が多数あるため、出来る限り事前に公正証書遺言による意思表示をお勧めしています。



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土地所有権の放棄

「土地所有権の放棄」

 相続財産である不要な土地の所有権を放棄できませんか?
 結論から申し上げると現状では難しいものとなっています。

 親からの相続財産の土地で相続後は住まず、賃貸にも適さず、かといって売却も出来ないという土地は管理コストのみ掛かり相続したくありません。

しかし、一部財産のみの相続放棄はできません。相続放棄する場合は全ての財産を放棄しなければなりません。

 相続財産を放棄した場合には固定資産税はかからなくなります。しかし、その土地を管理する義務はあります。誰かに売却等するまでは放棄した人で管理しなければなりません。

 では、土地を誰かに受け取ってもらえませんか?
 例えば国や地方自治体が受け取っているケースもあります。しかし、受け入れ数は少なく、大半が断られてしまいます。生前贈与を受けた土地の所有権を放棄して国に引き取るようにと裁判を起こした例もあります。

 法律上、所有権のない不動産は国のものとなるとなっており、所有権を放棄した土地は法律上国のものとなります。しかし、判決は国が引き取ることを認めませんでした。

 判決では「…不動産の所有者に認められる権利の本来の目的を逸脱し、社会の倫理観念に反する不当な結果をもたらすものであると評価せざるを得ないのであっ て、権利濫用に当たり許されない」という地裁判決が下され、この訴えを権利の濫用としています。

 国への寄付も難しいということで、一番引き取ってもらえる可能性が高い相手としては隣人などの個人になるかと考えられます。ですが、個人に寄付する場合には相手側で贈与税が発生する可能性があります。そこをあらかじめ検討する必要があります。

 個人ではなく、法人に寄附する場合も注意が必要です。
法人に対する寄附は土地を売ったときと同じ処理をしなければなりません。

つまり、時価で売却があったものとして、そこから取得価額等を差し引いて利益の分に対して税金が掛ってきます。

 利用価値がなく、処分に困る不動産をどうするか生前から考える必要がありそうです。

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死後離縁

「死後離縁」

 「死後離縁したいと思います。」

 「そうですね。それがいいですね。でも手紙も書きましょうね。」

 知人の弁護士からの紹介案件。亡くなったのは46歳の男性(以下A)。

鬱病が原因で自死。残された家族は一人。42歳の事実婚の女性(以下B)。

事実婚はもう長く、お互いバツイチでしたが子供はなく、結婚することに障害はなかった。

 しかし10年前に提出されたのは婚姻届ではなく養子縁組届。「何故?」の問いにBは「Aは両親と仲が悪くて一切の関係を断ちたかったようです。

私も会わせてもらったことがなく、相続に関係させたくなかったようです。」と話した。

 子供を望まなかったAは司法試験に挑戦していたこともあり、法律に詳しく、結婚していて子供がない場合に相続人は配偶者と親になることを知っていた。

遺言で全ての財産をBに残すと書いたとしても遺留分は消えない。そこで配偶者の税額軽減のメリットを捨ててでも、両親との相続関係を完全に消滅させるために選んだ手段が養子縁組(養子でも子がいる相続となり、親は相続人にならない)。

Aは「自分が死んだことも両親に連絡するな」と遺書に残していた。相続の手続きを進める中、Aの計画の欠陥をBに話した。

「Aが死亡しても養子縁組関係は消えない。つまりAの親が死亡した場合、Bさんは代襲相続人になります。相続の手続きを進めるため、いつか戸籍を調べて会いに来られることになります。一切連絡なしでその日を迎えることはとても重いですよね。」

 「死後離縁」とは相続発生後に養子縁組を解消させること。これは裁判所に申し立てて許可を貰わなければなりません。(最近巷で言われている死後離縁はこれではなく、配偶者が亡くなった後その両親との関係を断ち切ることで、姻族関係終了届を出すだけで成立します。)

 申し立ては認められ死後離縁は成立しました。でもその履歴も戸籍に残ります。

いつか訪ねて来るかも知れないAの父母。自殺されたことは伝えにくいことでも、例え本人に止められていても、連絡しようと書いた手紙。宛先不明で返ってきま したが、いつか必要になるかもしれないので、大事に保管しておくように伝えました。



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タワーマンションの節税が租税回避行為と認定

 時価と相続税評価額が大きく乖離するタワーマンョンの節税方法を、国税局も黙って見ていません。

いわゆるタワマン節税で、行き過ぎた節税策がなされていないかを国税局は厳しくチェックしています。

 平成29年に税法改正による、固定資産税の負担割合の変更もその一環と言われています。そして、タワーマンション購入がそもそも租税回避行為と認定されれば、タワマン節税が否認されるという事例もあります。

 特に、

1.購入日と相続発生が近い

2.相続発生後に即売却している

などの場合、租税回避行為と見なされ、タワーマンションの購入資金が

相続財産と税務署にみなされます。

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〈平成23年7月1日採決〉

【概要】

◯平成19年7月4日父が入院

◯8月4日父名義でマンション(30階の1室)を2億9300万円で取得する売買

契約を締結

◯8月16日所有権移転登記が完了

◯9月3日父が死亡

◯11月13日相続人への相続登記が完了

◯平成20年相続税申告、マンションを5802万円として評価

◯7月23日相続人がマンションを2億円8500万円で売却する売買契約を締結

◯7月24日に売買を原因とする所有権移転登記が完了

【採決】

◯不動産の評価は、原則として評価通達(路線価などによる評価)により評価す べきであるが、特別の事情がある場合は、他の合理的な評価方法によることが許される

◯以下の理由により、取得価額とほぼ同等と考えられるので、2億9300万円 とするのが妥当

◯マンションの取得時(平成19年8月)と相続開始時(同年9月)が近接して いると

◯取得時の金額が2億9300万円であること

◯相続人からマンションを取得した者が、売却を依頼した時点(平成20年7月 及び8月)の媒介価額が3億1500万円であること




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空き家に係る3,000万円特別控除

「空き家に係る3,000万円特別控除」
―その適用範囲改正―

 「空き家」問題は地域住民の生活の安全性などに大きな影響を及ぼしています。
またその背景の根源には、我が国における人口減少社会への移行、土地の資産としての有利性の低減など様々な経済社会構造の変化があると考えられています。


そうした問題対処のために、平成28年度税制改正の際に、相続等により取得した空き家を譲渡した場合の3,000万円特別控除が創設されました。そして今般この特例についての改正が予定されていますのでこの件をまとめてみます。


(1)特例の概要
相続によって取得した空き家を1人暮らしだった被相続人が死亡した日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した時は、その空き家に係る
譲渡収入から3,000万円の特別控除が認められるというのがその概要です。


その要件は当初厳格で、① 被相続人が居住の用に供してきた「昭和56年5月31日以前に建築された建物とその敷地」に限られ区分所有建築物は除かれます。


② 建物を壊した敷地のみの譲渡、建物の耐震基準を満たす耐震リフォームをしてからの譲渡が求められます。すなわち、あくまで相続から譲渡まで引き続き空き家である必要があります。


(2)平成31年度税制改正
①31年12月末で期限切れとなる本特例の適用期限が4年延長されることになりました。
②以下の様に老人ホーム等の入所に対応した要件の改正がなされました。
 ・被相続人が介護保険法が定める要介護認定等を受け、かつ、相続開始の直前まで老人ホーム等に入所していたこと。
 ・被相続人が老人ホーム等に入所した時から相続開始の直前まで、その者による一定の使用がされ、かつ、事業用、貸付用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないことが求められます。
③適用時期については、平成31年4月1日以後に行う被相続人の居住用家屋又はその敷地の譲渡に対して適用されることになります。



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民法改正(相続関係)

民法改正(相続関係)

成人

 20歳 → 18歳 (2022年4月施行)

①遺言書 (2019年1月~)

 自筆証書遺言の形式

  財産目録(署名・捺印は必要)

 遺言書 (2020年7月~)

 法務局に預ける

 法務局保管官が遺言書の形式をチェックする

②配偶者居住権及び敷地権

 被相続人と同居が条件

 登記

③結婚20年超の配偶者への自宅の贈与又は遺贈 遺産分割の対象外

④被相続人の預金の引出し

 法定相続分×1/3 又は 法務省の定める額(150万円)いずれかの低い額

⑤生前中の被相続人の財産を相続人が使い込んだ金額を含めて遺産分割

⑥第三者債権の回収

 登記

⑦特別寄与料

 寄与分(被相続人の財産の増加、維持に貢献)

 介護

⑧遺留分の弁済 金銭による生前贈与は相続発生前10年間に限る

 

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真実を求める遺産争い

 

 

「真実を求める遺産争い」

 つい先日、経済誌に興味深い記事が載りました。某非上場企業の2代目社長が不慮の事故で急死した後、秘書室長と2代目の甥の現社長が通謀し、2代目社長の株式を1株1円で現社長に売却した契約書を捏造した上で、株式を取得し、経営権を握ったのではないか、というものです。これを秘書室長から告げられた2代目社長夫人が後継社長を相手に、遺産対象の確認訴訟を行いました。

捏造で不正に甥に渡った株式は本来自分のものだと主張した訳ですが、当該企業がその後上場したこともあり、株式総額が約1600億円にもなったそうです。

この事件、未だ裁判所で争われている最中なだけに、全てが事実かどうかは不明なのですが、こうなる前に秘書室長がなぜ現社長を裏切ったのでしょうか。

 実は秘書室長は事件が表ざたになる前に、現社長に内部告発をするとの通告を行っています。いわば側近中の側近の反逆という訳ですが、秘書室長は現社長の独裁に対する怒りを理由に挙げています。不法行為で手に入れた権力で経営を続けるのは社会的に許されるのかと。そして社長に退任を迫り、次期社長に自分がなるという内容の確約書を求めています。これに対し現社長が、逆に脅されて退任を迫られている旨の説明を取締役会で行い交渉が決裂をしたために、秘書室長が夫人に不正を告げたということのようです。

 この事件、捏造疑惑が発生してから既に18年が経過しているため、刑事責任は問うことが出来ず民事責任が問えるだけです。実は13年前に、現社長と前社長夫人とは遺産相続を巡り最高裁まで争ったそうですが、和解をして再び裁判では争わない旨の合意を取り決めたそうです。そこで今回の裁判では、現社長側は当該合意に反する今回の訴えは却下されるべきと主張し、捏造疑惑を審理しないことを求め、逆に前社長夫人側は捏造疑惑は最近知ったことで、前回の和解の前提にないとして訴えは有効としています。

 両者ともに財力もあり、現社長側としては経営権に関わる重大問題でもあるが、前社長夫人は上場企業に相応しいガバナンスを求め、早期和解等は求めていないとのこと。いずれにせよこのような場合の争いの目を摘んでおけば、このような事態は生じなかったはず。事前の準備が何よりも大事になると言う良い例と言え ましょう。

 

 

 

 

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相続税申告において一番基本的でかつ曖昧な財産

「相続税申告において一番基本的でかつ曖昧な財産」

~相続時点での現金評価~

 今回の調査は、非上場株式の一部相続時精算課税、養子の代襲相続そして広大地評価などポイントが満載の相続税調査でしたが、調査で一番問題となったのが現金の評価です。

 被相続人は、亡くなる半年前くらいから病院に入院し、以降病院を転々とすることになるのですが、入院の前に数千万円の現金を引き出しており、そのことが問題となりました。

 当然のことながら相続税申告にあたって預金通帳をお借りして預金のトレースしたわけですが、相続税調査の結果、他の振替事実が明らかになったことで、数千万円が宙に浮いた格好になりました。

(調査官)この引出はだれが行ったのですか?

(相続人)父に指示されて私が銀行で引出して父に渡しました。

(調査官)その後入院されましたが、現金はどこにありましたか?

(相続人)すべてかどうかわかりませんが自宅の金庫にあったと思います。

(調査官)その現金はその後どうなったのですか?

(相続人)父から指示された金額をその都度病院に持って行きました。

(調査官)お父様が亡くなられた時点で現金はどの位ありましたか?

(相続人)正直亡くなった時点の金額は、数えていないのでわかりません。

(調査官)今はそのお金はどうなっていますか?

(相続人)父が亡くなった後にいろいろと出費しているので今は残っていません。

 と言ったような問答があり、結局のところ、調査官からの指示により、私が相続人の陳述に基づき現金出納帳を作成し、相続時点で○○万円の現金残高が存在したと推定されることを報告し、調査は終了しました。

 調査の結果としては、還付金から減額されるという結果で終わったため、後を引くことはありませんでしたが、一番基本的な財産である現金について、このような曖昧な申告をすることしかできないことに関して改めて問題であることを意識しました。

 相続税申告に当たっては大小を問わず必ず出くわす現金の評価問題ですが、事業であれば必ず記帳されているべき現金出納帳があれば、このような問題は発生しません、改めて相続関係者による現金出納帳の作成について指導の必要性を感じたしだいです。

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